管理費って何のために払うものなの?管理費の仕組みと役割を把握しよう
マンションを購入すると必ず「管理費」が必要となります。マンションによって管理費は異なるようですが、なぜ管理費が必要となるのでしょうか?住宅ローン以外に必要な経費となるので、抑えられるのであれば、それにこしたことはないのですが、安ければ安い程よいのでしょうか?いろいろと疑問があります。今回は、管理費について考えましょう。
「管理費は安いほうがいい」は間違い?
マンションの管理費とは、建物や敷地内を良好な住みやすい状況にするための費用で、とくに共用部分といわれるエントランス・廊下・階段・エレベーターなど、住民全体で使用する部分を、維持管理する費用とされています。
管理費の役割は、常駐管理人の清掃費、共用部分から発生する電気、水道料金、電球交換費用、ごみ処分費、エレベーターの保守点検費用および防犯カメラの取り付け点検費用、共用部分の火災保険やその他損害保険費用、外部の植栽メンテナンス費用等、建物の保守点検管理だけでなく、住民の生活の安全や建物のデザイン性などの付加価値、資産価値を保つのに必要な費用も含まれます。
設備に対してこれらの費用が安価に設定されていると、本当に快適で安全な暮らしが確保されるのか、不安になってしまうでしょう。管理費用とはこれらの安心を担保する費用でもあり、決して安いからよいとはいえるものではありません。
マンション生活では「管理は買うもの」といわれ、管理レベルが下がってしまうと、マンション生活の質も下がり、周辺より管理費が安いのであれば、その点も販売業者に質問する必要があります。
管理費は安さに重点を置かず、設備やセキュリティー管理等の内容を確認したうえで、それらの妥当性を判断する必要があり、決して管理費の安さをマンション購入のメリットとせず、むしろ築年数の経過に伴い、物価上昇や消費税増税の影響などで値上げされる可能背もあるので、それらの値上げも想定に入れた余裕のあるマンション購入計画をおすすめします。
マンション管理費の平均額
では、管理費は幾らぐらいで検討するのがよいのでしょうか?全国的に見た平均として約1万5,000円~1万7,000円くらいまでとされていますが、一概にこの価格が当てはまるとはいえません。
国土交通省の調べによると、マンションの管理費は①建物の戸数②建物の階数③物件価格によって影響されるといわれています。管理費はそれぞれの持ち分によって按分されるため、①②については、戸数や階数が増えるとその分安く設定されます。③については物件の価格、即ち設備やサービスが反映され、それらが高価になると管理費は高くなるようです。
地域別に平均管理費相場を比べても、①東京圏1万6,442円②名古屋圏1万6,893円③京阪神圏1万6,848円(国道交通省調べ)と大きく開きはありません。この理由として、東京圏は建設地の狭小地化等により、戸数は少なくても設備が充実しているマンションが多く、反対にその他の圏内であれば首都圏程、設備の充実は求められず、安価の設定で戸数のあるマンションが建てられており、全体として管理費の平均が保たれています。
また、管理費が上昇する場合もありその原因としては景気の影響が上げられます。マンションの管理には人件費が必要となり、景気の上昇がそれらの費用に影響を与えると考えられるようです。
マンション管理費は重要な存在!
マンション管理費は建物や敷地内を保守管理するためには、絶対に必要な費用です。常駐管理人の配備されたマンションだと、毎日共用部分や駐車場の清掃、不審者の入館チェックなどにも対応しており、住民が安心して暮らせるように日々業務にあたっています。
反対に管理費が不足し、充分な保守管理ができなければどうでしょうか?共用部分の電気は切れたままで、エントランスの植栽は伸び放題、夜間見知らぬ人が建物に出入りするようでは安心して生活できません。金額についてはとくに法律などで取り決めはありませんが、「マンション生活の安心代」といえるほど、必要不可欠な費用です。
ただし、最近のマンションではプールやフィットネスジム、キッズルームなど、使用者が限られる設備も多く設置されています。これらの設備費用も管理費に含まれる場合があるので、入居を決める際には充分にそれら費用の内容を理解し、納得したうえで入居を検討することをおすすめします。
また、管理費用と同様、重要な存在となる費用として、「修繕積立金」があるようです。修繕積立金とは外壁の塗り替えや建物全体におよぶ設備のメンテナンスなど、数年に一度の長期的なメンテナンスに対応できるように積み立てる費用で、この積立金についても管理費と同様、マンションの維持管理に重要な役割を果たしています。
管理費の必要性とその役割については理解していただけたでしょうか?マンションを購入し、生活するには住宅ローンの他に管理費や修繕積立金の支払いが必要となり、これらを少しでも安くしたいと考えるのは当然のことですが、マンション設備の維持管理や住みよいマンションライフのためには欠かせない費用であることも理解していただけたことでしょう。
今後、マンション購入を検討している方は、それらの支出を資金計画に組み込み、無理のないマンション購入と長期にわたるライフプランを、検討してください。